現在TUAROAでは、クライアントの皆様に頂いた設計料の一部を緑の東京募金に寄付させていただいております。未だそんなに人様に言えるほど、回数も金額も出来ておりませんが、地球で生活をしている一人として環境問題に対して少しでも何かが出来ればという思いから始めた事でございます。
そこで、色々なメディアからのイメージで誤解してしまいやすい事について、今回は簡単に書いてみようと思います。
まず、植物は二酸化炭素を吸って、酸素を吐いているから植物が増えれば酸素量が増え、森林を伐採せず現状維持しながら植林すれば環境に優しいと思っている方は多いと思います。確かにそれも正しいのですが、それは光合成という部分にスポットを当てたときの話で、植物も呼吸をしているので、酸素を吸って二酸化炭素を吐いて生きています。光合成と呼吸は別物なのです。光合成によって吐いた酸素をまた吸い、吸った二酸化炭素をまた吐いています。なので多分皆さんが思っているほど二酸化炭素も減少しないし、酸素も増えないというのが現実です。メディアでは光合成の部分だけがクローズアップした内容のものが多く、凄く二酸化炭素が減り酸素も凄く増えます的な印象を受けるので、勘違いをしてしまうのも無理はありません。
ですが、木は成熟すればする程「光合成量ー(マイナス)呼吸量」の差は少なくなりますが、未熟な木は差が多いのです。このことから日本の文化的にもインテリアという職種的にも切り離す事の出来ない木材の使用を減らし、森林の伐採をなくすということではなく、「光合成量ー(マイナス)呼吸量」の差が少ない成熟した木を適度に伐採し、差の多い未熟な木を植林し育てることが二酸化炭素量の減少、酸素量を増加する方法として適しているのではないかと考えています。「木を伐採する事 = 悪い事」というイメージは必ずしも当てはまらないということなのです。
それと、木材を再利用して環境問題に取り組んでいますというようなものがたくさんあると思いますが、あれも大きな誤解の一つだと思います。人工的に生成された科学物質ならまだしも、木材は朽ちて微生物に分解され土に戻り栄養に変わるのです。問題になるとすれば、ものを大事に扱わない行為だったり、現在はほとんどないと思いますが、木材を加工、製造する過程で有害となる物質が混入する事などだと思います。土に戻せないような有害なものは再利用しても、すぐに有害という分けではないかもしれませんが、少なからず人体にもいつか何らかの影響を及ぼすのではないでしょうか。しかし、現在の様に不況になり企業がこぞって安いものを開発、提供しようとしている姿勢にも問題があると思っています。安いものは大事にされず、少し何かあっただけですぐに捨てられ買い替えられ、もしくはクオリティーが低くすぐに壊れてしまうケースが多いからです。このことがゴミの増加、環境破壊につながり、ものを大事に使うという気持ちを希薄にさせているのではないでしょうか。
長くなってしまいましたので最後に、現在活躍されているインテリアデザイナーの先輩方の時代は、まずインテリアデザインというものを世の中に認知してもらい、社会的な地位の向上、確立を量る世代であったと思いますが、次世代の僕たちは環境問題にも目を向け、デザイン、クリエイティブという立場の視点からどのように環境問題に関わるか、若しくはデザインに組込むかということを、僕たちの仕事が生産と破壊を繰り返す職業であることを自覚し、とくに考え実行していかなければいけないのではないかと思っています。